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付録D

広告のルールとAI

柔整法24条・あはき法7条・景表法。書いていいこと・ダメなこと。


※ ブログ・チラシ・SNSを出す前に、必ず読んでください

はじめにお断りしておきます。私は弁護士ではありません。

ここに書くのは、実務でよく指摘されるところをまとめたものです。

最終的な確認は、行政書士・弁護士、または管轄の保健所でお願いします。

グレーだと感じたら、書かないのがいちばん安いです。

なぜ、これが要るのか

こんにちは。治療院ネクストの加藤です。

付録Cは 「AIに何を入れていいか」(個人情報)の話でした。 この付録Dは 「AIが書いたものを、外に出していいか」(広告のルール)の話です。

まったく別の話です。 根拠になる法律も違います。

AIは、いくらでも上手な文章を書きます。 でも、AIは治療院の広告ルールを知りません。

平気で「治ります」と書いてきます。 それをそのまま出すと、指導を受けるのは先生です。

まず、いちばん大事なこと

先生がどの資格を持っているかで、かかる法律が変わります。

ここが分かっていないと、この先の話が全部ぼやけます。

先生の立場

かかる主な法律

柔道整復師(接骨院・整骨院) 柔道整復師法 第24条(広告の制限)+景表法

はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師

あはき法 第7条(広告の制限)+景表法

整体・カイロ・リラクゼーション(国家資格なし) 上の2つはかからない。景表法+医師法17条に注意

同じ「治療院」でも、守るルールが違います。

よくある勘違い:「薬機法」ではありません

「治療院の広告は薬機法に気をつけて」と、よく言われます。

これは、正確ではありません。

薬機法は、医薬品・医療機器・化粧品についての法律です。

つまり、

サプリメントを売る

健康器具・機械を売る、または効果をうたう

化粧品を扱う

——こういうときに関係してきます。

施術そのものの広告は、薬機法ではなく、上の表の法律です。

ここを取りちがえたままAIに「薬機法でチェックして」と頼むと、 AIは見るところを間違えます。 柔整法24条の話が丸ごと抜け落ちます。

AIへの頼み方は、この付録の最後に載せてあります。

① 有資格の先生(柔整・鍼灸・あん摩)の場合

考え方が、そもそも逆です

ふつうの商売の広告は「書いてはいけないことが決まっている」方式です。 でも、柔整法24条・あはき法7条は逆で、

「書いていいこと」が、法律で決められています。

決められた項目以外は、原則として広告できません。

法律で認められている主な項目は、こういうものです。

施術者の氏名、施術所の名称・電話番号・所在地 業務の種類(ほねつぎ、接骨、はり、きゅう など)

施術日・施術時間

そのほか、法律や告示で認められた事項

(健康保険(療養費)の取扱いがある旨 など)

※「保険取扱」と書けるのは事実ですが、何にでも使えると誤解させる書き方は危険です。

柔道整復の療養費は、骨折・脱臼・打撲・捻挫が対象です。

慢性的な肩こり・腰痛には使えません。

「保険が使えます」とだけ書くと、療養費の不正請求として指導の対象になり得ます。

「〇〇の場合は保険が使えます」と、対象を明記してください。

つまり、「〇〇が治ります」「腰痛専門」「日本一の技術」といったものは、ここに入っていません。

ただし、ホームページの扱いは別に考える必要があります

チラシや看板と、ホームページ・ブログでは、実務上の扱いが違う場合があります。

そして、この線引きは自治体(保健所)によって指導が分かれます。

迷ったら、必ず管轄の保健所に確認してください。

「うちの県ではどこまで書いていいか」を一度聞いておくのが、いちばん確実です。

このハンドブックでは、厳しめの側に寄せて書くことをおすすめします。 攻めた表現で新患が数人増えるより、指導を受けないほうが安いです。

② 整体・カイロの先生(国家資格なし)の場合

柔整法24条・あはき法7条はかかりません。 そのぶん自由に見えますが、別のところが危ないです。

医師法17条 ─ 「医業」と誤解させない

医療行為(診断・治療)は、医師にしかできません。

だから、次のような言葉は避けてください。

「診断します」「治療します」 「〇〇症を治します」 「医学的に」「医療レベルの」

代わりに使う言葉:「施術」「整える」「ほぐす」「お体の状態をうかがう」

「マッサージ」という言葉に注意

国家資格がない場合、「マッサージ」という言葉を、看板・ホームページ・ブログで使うのは避けてください。

「マッサージ」は、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ人の業務を指す言葉です。 無資格で使うと、あはき法12条(無資格者の施術禁止) に触れると見なされることがあります。

実務で、いちばん指摘されやすいところの一つです。

代わりに使う言葉:「もみほぐし」「ボディケア」「整体」

「先生」「治療院」という言い方も、ほどほどに

無資格の施術所が、医療機関だと誤解されるような見せ方をするのは危険です。 白衣・院内の雰囲気・言葉づかいを含めて、医療機関っぽく寄せすぎないことです。

③ 全員に共通:景品表示法

これは、資格があってもなくても、全員にかかります。

危ないのは、この3つ

1. 大げさな表現(優良誤認)

「必ず良くなります」「100%」「〇〇が完治」 「地域No.1」「日本一」「〇〇院で一番」

→ 数字の根拠を出せないなら、書けません

2. 体験談の使い方

「1回で痛みが消えました!」だけを並べる

→ 誰にでもそうなると誤解させると、問題になります

使うなら、「個人の感想です」だけでは足りません。

そもそも、平均的にどうなのかとかけ離れた話を前面に出さないことです

3. ビフォーアフター写真

撮り方・見せ方によっては、誤認をまねきます 使うときは、条件(回数・期間・個人差)を必ず添える

4. 口コミのお願いの仕方(ステマ規制)★ここは要注意

2023年10月から、広告なのに広告と分からない表示は、景品表示法違反になりました。

口コミをお願いすること自体は、問題ありません。 危ないのは、この2つです。

割引やサービスと引き換えに書いてもらう

書く内容をこちらで指定する、文面を渡す

これをやると 「事業者の表示」 とみなされ、

広告だと分かるように明示しなければならなくなります。

やり方

どうなるか

「よかったら口コミ書いてください」と声をかけるだけ ○ 問題なし

割引・特典と引き換えに書いてもらう ⚠ 事業者の表示とみなされ得る → 広告表示が必要

内容を指定する/文面をこちらで用意する ⚠ 同上

スタッフや家族に書かせる ✗ 論外です

いちばん安全なのは、

「よかったら、正直な感想を書いていただけると嬉しいです」

とだけ伝えて、あとは何も言わないことです。

このハンドブックでは、口コミを集めることをおすすめしています(5冊目・付録A)。

だからこそ、集め方を間違えないでください。

④ 使わないほうがいい言葉(まとめ)

CLAUDE.md (4冊目)に、このまま書いておいてください。

全員が避ける言葉

治る/治ります/完治/根治/必ず/絶対/100%
即効/永久/再発しません/医学的に証明された
日本一/地域No.1/〇〇院で一番(根拠が出せない場合)

整体・カイロの先生が、さらに避ける言葉

診断/治療/医療/処置/〇〇症を治す

言いかえの例

✗ 危ない

○ 言いかえ

腰痛が治ります 腰の負担がかかりにくい状態を目指します

治療します 施術します

必ず良くなります お体の状態を見ながら、一緒に進めていきます

完治した症例 施術後の経過の一例(個人差があります)

地域No.1の技術 (書かない)

⑤ 症例をブログに書くときの4つの約束

症例ブログは、いちばん読まれます。だからこそ、ここを守ってください。

1. 本人の許可をとる

口頭でかまいません。ただし、もらったこと自体を記録に残してください。

声のかけ方の例

「今日のお話、名前は出さずに、ブログで紹介してもいいですか?

同じ症状で悩んでいる方の参考になると思うので。

もちろん、嫌でしたら全然かまいません。」

断られたら、絶対に書かない。 ここは徹底してください。

2. 特定できる情報は変える

年齢は「50代」に、職業は「デスクワーク」くらいに。 勤務先・学校・店名・細かい地名は書かない。(くわしくは付録C)

3. 写真は、本人の許可なしに絶対に使わない

顔が写っていなくても、体の写真は許可が要ります。

4. 経過は「事実」として書き、効果は「断言」しない

ここが、いちばん混乱するところなので、はっきり書きます。

○ 書いていい 「3回目に、朝起きるのが楽になったとおっしゃっていました」 ← その方に起きた事

✗書いてはいけな 「3回で腰痛が治ります」 ← これから来る人への約束になっている

起きたことを書くのはOK。

それを「誰にでも起きる」と読ませるのがNG。

ここに 「個人差があります」 を添えれば、さらに安全です。

⑥ AIへの頼み方(そのまま使えます)

書く前に、CLAUDE.md に入れておく

CLAUDE.md に、広告のルールを足してください。

【私の院の資格】
私は〇〇です(柔道整復師/はり師・きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/
国家資格なし・整体)。

【文章を書くときに、必ず守ること】
・「治る」「完治」「必ず」「絶対」「100%」「即効」は使わない
・「日本一」「地域No.1」など、根拠を出せない一番表現は使わない
・体験談を、誰にでも当てはまるように読ませない
・(整体の場合)「診断」「治療」「医療」は使わない
・症例は、起きた事実として書く。これから来る人への約束にしない
・迷う表現があれば、書く前に私に確認する

書いたあとの、チェック用

いま書いた文章を、広告のルールの観点でチェックしてください。
私の院は〇〇(接骨院/鍼灸院/整体院)です。

・接骨院なら柔道整復師法24条、鍼灸院ならあはき法7条の広告制限
・景品表示法(大げさな表現・体験談の使い方)
・医師法17条(診断・治療と誤解される表現)
・口コミや体験談の使い方(ステマ規制に触れていないか)

危ない表現があれば、どこがどう危ないか教えて、直した文も出してください。

AIに書かせて、AIにチェックさせる。そのうえで、最後は先生の目で見る。

この3段階にしてください。

最後に:3つだけ覚えて帰ってください

  1. 自分の資格でルールが変わる(柔整法24条/あはき法7条/医師法17条)
  1. 薬機法は「物を売るとき」の法律。施術の広告とは別
  1. 起きた事実は書ける。これから来る人への約束は書けない

この付録は、実務でよくあるところをまとめたものです。

最終的な判断は、管轄の保健所や、専門家に確認してください。 グレーだと感じたら、書かないのがいちばん安いです。

判断に迷うことがあったら、公式LINEで聞いてください。一緒に考えます。

治療院ネクスト|加藤 賢 ※ このハンドブックの内容は2026年8月時点のものです。料金や画面は変わることがあります。 ※ つまずいたところは、公式LINEでそのまま聞いてください。返信します。

分からないところは、LINEでそのまま聞いてください。

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