付録C
患者さんの情報とAI
AIに入れていいもの・絶対に入れてはいけないもの。
※ 使い始める前に、必ず読んでください
なぜ、これが一番大事なのか
こんにちは。治療院ネクストの加藤です。
便利な話をたくさんしてきましたが、ここだけは、便利さより先に来ます。
治療院は、患者さんの体のこと・住所・連絡先など、 とても大事な情報を預かる仕事です。
これを、うっかりAIに流してしまうと、取り返しがつきません。
こわがらせたいのではありません。 線引きさえ守れば、まったく問題なく使えます。 その線を、ここではっきりさせます。
まず、いちばん大事な1行
AIに打ち込んだ文章は、先生のパソコンの外に出ていきます。
Claude Code は「パソコンの中で働く」と説明しましたが、 考えているのは、インターネットの向こう側です。
打ち込んだ文章は、そこに送られています。
だから、こう考えてください。
「この文章、知らない業者さんにメールで送っても平気か?」
平気ならOK。ためらうならNG。これだけです。
入れてはいけないもの(レッドライン)
この6つは、絶対に打ち込まないでください。
入れてはいけないもの
✗
患者さんの氏名(フルネーム・苗字だけも含む)
住所
電話番号・メールアドレス・LINE ID
生年月日
保険証の情報・マイナンバー
カルテそのもの(ファイルごと渡すのもNG)
さらに、組み合わせると誰か分かってしまうものも同じ扱いです。
「〇〇小学校のPTA会長をされている50代の男性」 「駅前の〇〇薬局にお勤めの方」 「近所で〇〇というお店をやっている女性」
名前を書かなくても、特定できるなら同じことです。
これはブログに書くときも、まったく同じ注意が要ります。
入れていいもの(グリーンライン)
一方で、これは問題ありません。
○
入れていいもの
年代(50代、など。「52歳」ではなく)
性別
症状(腰痛、肩こり、しびれ など)
職業のざっくりした種類(デスクワーク、立ち仕事)
経過(3回目で楽になった、など)
院の情報(料金・メニュー・営業時間)
実際の直し方(ここを覚えてください)
やり方はかんたんです。A様・B様に置きかえるだけです。
✗ そのままの例
田中花子さん(52歳・新宿区〇〇在住・090-XXXX-XXXX)は、
3年前から腰痛。〇〇小学校の教員。
○ 置きかえた例
Aさん、50代女性、デスクワーク中心の仕事。
3年前から続く腰痛。
これで、AIには十分伝わります。
ブログを書くのに、名前も住所も電話番号も要りません。
数字のデータを渡すときの注意
5冊目で「予約データを渡して数字を出させる」とお伝えしました。 ここがいちばん危ないポイントです。
予約システムから書き出したファイルには、たいてい氏名と電話番号が入っています。 そのまま渡してはいけません。
やり方(3ステップ)
- データを Excel で開く
2. 氏名・電話番号・住所・メールアドレスの列を、まるごと削除する
- 別名で保存して、そのファイルだけを AI作業 フォルダに入れる
残すのは、この4つで十分です。
残す列
例
来院日 2026/8/3
初診 / 再診 初診
メニュー 60分コース
金額 6,600
名前がなくても、来院数もリピート率も全部出せます。
面倒に感じるかもしれませんが、最初の1回だけです。
一度やり方が決まれば、次からは同じ手順をなぞるだけです。
院のルールにしておくと安心なこと(そのまま使えます)
CLAUDE.md (4冊目)に、これを書いておいてください。 AIの側にも、線引きを持たせておく形です。
## 患者さんの情報について(絶対のルール)
- 患者さんの氏名・住所・電話番号・生年月日は、
私が誤って入力しても、文章に使わないでください。
- 気づいたら「個人情報が含まれています」と教えてください。
- 症例をブログにするときは、必ず
「Aさん・50代・女性」の形にぼかしてください。
- 特定につながる情報(勤務先・学校・店名・地名の細かい部分)は
ぼかすか、削ってください。
これを書いておくと、うっかりを1回止められます。
もちろん、これに頼りきらず、入れないのが基本です。
ブログに症例を書くときは、もう一つ別のルールがあります
ここまでは 「AIに何を入れていいか」 の話でした。
症例を ブログとして外に出す ときは、まったく別のルール(広告のルール) がかかります。 個人情報の話とは、根拠になる法律も、気をつける中身も違います。
付録D「広告のルールとAI」 にまとめました。症例ブログを書く前に、そちらを読んでく
ださい。
よくある質問
Q. AIに打ち込んだ内容は、AIの勉強に使われますか?
サービスと設定によって違います。
気になる方は、設定画面で「学習に使わない」の項目があるか確認してください。
ただし、設定がどうであれ、この付録のルールを守っていれば問題ありません。 そもそも大事な情報を入れなければ、使われようがないからです。
Q. 声で入力するのは?
同じです。 打ち込むのと変わりません。文字になって送られます。 声だから安全、ということはありません。
Q. 写真を渡すのは?
患者さんの体や顔が写った写真は、渡さないでください。
院内の写真や、料金表の写真なら問題ありません。
Q. 保険の書類は?
渡さないでください。 氏名も保険証番号も入っています。
Q. うっかり名前を入れてしまいました
まず、その会話を終わらせてください(新しい会話にする)。
そのうえで、記録が残る設定になっていないか確認してください。 心配なときは、公式LINEで聞いてください。
最後に:3つだけ覚えて帰ってください
- 名前・住所・電話番号は、絶対に入れない
- 「Aさん・50代・女性」に置きかえれば、それで足りる
- データを渡すときは、名前の列を消してから
この3つを守っていれば、安心して使えます。
線を引いてから使う。これが、患者さんを預かる仕事の作法だと思っています。
判断に迷うことがあったら、勝手に決めずに公式LINEで聞いてください。一緒に考えます。