1冊目 読む時間 約10分
そもそも、AIってなに?
むずかしい説明はしません。検索と何が違うのか、から始めます。
1冊目で分かること
- 1 AIとは、結局なんなのか(むずかしい説明はしません)
- 2 検索(Google)と、どう違うのか
- 3 実際に、どんなふうに使うものなのか
まだ何も入れなくて大丈夫です。読むだけで進みます。
0. はじめに ─ 私のことを少しだけ
こんにちは。治療院ネクストの加藤です。
これから何冊も読んでもらうので、先に「誰が書いているのか」をお伝えします。
私は治療院を 4店舗 まで広げて、そのうち 3店舗を譲渡 しました。 いまも 現役で、施術に立っています。
そして、正直に書きます。
私は、Webもソフトも苦手でした。
パソコンの前に座ると、それだけで時間が溶けていく。 ブログを書こうとして、結局その日は何も出せずに閉じる。 「やらなきゃいけないのは分かっている」——ずっと、その状態でした。
だからこのハンドブックには、専門用語もプログラミングも出てきません。
苦手なままで回せた方法だけを書いています。
1. 正直、よく分からないまま来ていませんか
ここ2〜3年、どこを見ても「AI」「AI」と言われています。 テレビでも、ネットでも、同業の先生の投稿でも。
でも、正直こうじゃないでしょうか。
「すごいらしいのは分かる。でも、結局それが何なのかはよく分からない」
「どうせパソコンが得意な人の話でしょう」
「うちみたいな小さい院には、関係ない気がする」
私も、まったく同じでした。
なので1冊目は、AIとは何なのかという、いちばん手前の話だけをします。 ここでは、何も入れませんし、何も契約しません。 読むだけです。
2. AIとは、ひとことで言うと
いろいろな説明の仕方がありますが、先生に必要なのはこれだけです。
とんでもない量の文章を読んで、
「人がどう答えるか」がうまくなった道具。
それだけです。
もう少しだけ足すと、こういうことです。
AIは、世の中にある本・記事・ホームページ・論文……そういう文章を、 人が一生かかっても読み切れない量、読んでいます。
その結果、「こう聞かれたら、人はだいたいこう答える」というのが、 ものすごく上手になりました。
だから、
「肩こりのブログを書いて」→ 書ける 「この文章、やわらかくして」→ やわらかくできる 「この口コミに返信して」→ 返信文が作れる
考えているというより、「いちばんそれらしい答えを組み立てている」。 このイメージを持っておいてください。
あとで出てくる「AIはまちがえる」という話も、ここから来ています。
3. じゃあ、検索(Google)と何が違うの?
ここがいちばん分かりやすい入口だと思います。
先生も、Googleで調べものはしますよね。 AIは、あれとは役割がまったく違います。
| Google(検索) | AI | |
|---|---|---|
| やってくれること | 探す | 作る |
| 返ってくるもの | ホームページの一覧 | 答えの文章そのもの |
| そのあと | 自分で読んで、自分でまとめる | もうまとまっている |
具体例です。
Googleに「肩こり ブログ 書き方」と入れると
→ ホームページが10件出てくる。何本か開いて読んで、参考にして、そこから自分で書く。
AIに「肩こりのブログを書いて」と言うと
→ ブログの文章そのものが出てくる。
つまり、
Googleは「調べる」道具。
AIは「やってもらう」道具。
先生が本当にしんどいのは、調べることじゃなくて、そのあと自分で書くことですよね。 そこを引き受けるのがAIです。
4. どんなふうに使うのか(実際のやりとり)
「使い方」と言われてもピンと来ないと思うので、 実際のやりとりをそのままお見せします。
むずかしい操作は、ひとつも出てきません。
LINEと同じで、打ち込んで送るだけです。
先生:
肩こりで来られた40代の女性の患者さんに向けて、
家でできるストレッチを紹介するブログを書いてください。
専門用語は使わないで、やさしい言葉でお願いします。
AI:
【デスクワークの肩こり、家でできる3つのストレッチ】
こんにちは。〇〇整体院です。
「夕方になると肩が重い」「首を回すとゴリゴリ鳴る」——
デスクワークをされている方から、よくこんなお話をうかがいます。
…(このあと本文が続く)
先生:
ありがとう。もう少し短くして。あと、最後に予約の案内を1行入れて。
AI:
(短くなって、最後に予約の案内が入ったものが出てくる)
これだけです。
ポイントは2つあります。
● 会話のように、何度でも直せる
一発で完璧なものを出させる必要はありません。 「もっと短く」「もっとやさしく」「その言い方はうちっぽくない」—— そう言えば、そのつど直してくれます。やり直しはタダです。
● 敬語じゃなくていい・きれいな文じゃなくていい
「肩こり ブログ 短めで やさしい言葉で」だけでも通じます。
話しかけるように打てば大丈夫です。
5. 上手にお願いする、たった3つのコツ
AIは「察する」のが苦手です。 逆に言うと、言えば言うほど、ちゃんとしたものが返ってきます。
コツはこの3つだけです。
① 誰に向けたものか、を言う
✗「ブログを書いて」 ○「デスクワークの40代女性に向けて、ブログを書いて」
② どんな言い方がいいか、を言う
✗「ブログを書いて」 ○「専門用語を使わず、やさしい言葉で、ブログを書いて」
③ 長さ・数を言う
✗「案を出して」 ○「3案、それぞれ100文字くらいで出して」
この3つを足すだけで、出てくるものが別物になります。
うまくいかないときは、たいてい「言葉が足りない」だけです。
AIの性能の問題ではありません。
6. よくある4つの誤解
先生からよく聞かれることに、先にお答えしておきます。
誤解①「AIは、なんでも知っている」
ちがいます。まちがえます。
AIは、それっぽいけれど事実じゃないことを、堂々と書いてくることがあります。 悪気はありません。「いちばんそれらしい答え」を組み立てているだけだからです。
なので、出てきたものは必ず先生の目で確認してください。 とくに、体の話・症状の話・効果の話は要注意です。
治療院には、書いてはいけない表現があります(「治る」「必ず治ります」など)。 しかも、接骨院・鍼灸院・整体院では、かかる法律が違います。
AIは、この線引きを分かっていません。 最後のチェックは、ずっと人の仕事です。 くわしくは 付録D(広告のルールとAI) にまとめました。
誤解②「AIに仕事を取られる」
これは、こう考えてください。
仕事がAIに取られるのではなく、
AIを使える人に、仕事がわたっていく。
治療院の施術は、AIにはできません。体には触れませんから。 取られるのは、施術以外の、パソコンの前の時間だけです。 むしろ、取ってもらったほうがいい時間です。
誤解③「パソコンが得意な人のものでしょう」
逆です。
パソコンが得意な人は、もともと作業が速いので、そこまで恩恵がありません。
時間がかかっている人ほど、浮く時間が大きい。
しかも、必要なのは「話しかける力」です。 先生は毎日、患者さんに分かりやすく説明していますよね。あれができれば十分です。
誤解④「うちみたいな小さい院には関係ない」
これも逆です。
大きい院には、事務のスタッフがいます。ブログを書く人がいます。
ひとり院には、いません。全部、先生がやっています。
いちばん人手が足りていない院が、いちばん助かります。
7. AIにも、いろいろな種類があります
「AI」とひとことで言いますが、中身はけっこう違います。 ざっくり4つだけ知っておけば十分です。
| 種類 | 何をしてくれるか | 有名なもの |
|---|---|---|
| 文章のAI | 書く・直す・まとめる・答える | ChatGPT、Claude、Gemini |
| 絵のAI | イラストや画像を作る | Midjourney など |
| 声のAI | 文章を読み上げる/声を作る | ─ |
| パソコンの中で働くAI | 文章を書いて、保存して、整理までする | Claude Code |
治療院で最初に効くのは、いちばん上の「文章のAI」です。 ブログ・LINE・口コミ返信・インスタ、全部これです。
そして、そのさらに先にあるのが、いちばん下です。
上の3つは、出てきたものを先生がコピーして、自分で貼りにいく必要があります。 いちばん下だけは、先生のパソコンの中に入って、保存や整理まで自分でやります。
これが、次の冊でお話しする Claude Code(クロードコード) です。
8. お金の話(ここまでの分だけ)
安心してください。ここまでの話は、無料でできます。
ChatGPT も Claude も Gemini も、無料で使えるプランがあります。 今日これを読み終わったあと、すぐ試せます。
お金がかかるのは、2冊目から出てくる Claude Code のほうです(月3,000円ほど)。 まずは無料の範囲で、AIに話しかける感覚だけ持ち帰ってください。
9. ひとつだけ、先にお願いです
無料で試すときも、これだけは守ってください。
患者さんの氏名・住所・電話番号・カルテの中身を、そのまま打ち込まない。
AIに打ち込んだ文章は、先生のパソコンの外に出ていきます。 だから、患者さんが特定できる情報は入れない。 これだけです。
「Aさん、50代女性、腰痛」——このくらいに置きかえれば大丈夫です。
くわしいルールは 付録C にまとめました。 本格的に使い始める前に、必ず読んでください。
1冊目でできるようになったこと
- AIは「大量の文章を読んで、人の答え方がうまくなった道具」だと分かった
- Googleは「探す」、AIは「作る」という違いが分かった
- お願いのコツ(誰に・どんな言い方で・どのくらいの長さ)を知った
- AIはまちがえるので、最後は自分で確認すると分かった
- 患者さんの情報はそのまま打ち込まないと決めた
明日の一歩
無料のAIに、1つだけ質問してみてください。
やり方は、これだけです。
- スマホかパソコンで ChatGPT(chatgpt.com)を開く
- 無料のまま、下の入力らんに打ち込む
- 送る
打ち込む文は、これをそのまま写してください。
治療院のブログのネタを、5つ出してください。
読む人は、デスクワークで肩こりに悩んでいる40代の女性です。
これだけで、AIの手ざわりが分かります。
多くの先生が「思ったより普通だな」と言います。それでいいんです。
特別なものではなく、道具です。
次は2冊目です
AIがどういうものか分かったところで、次は本題です。
2冊目では、さっきの表のいちばん下、 「パソコンの中に入って働くAI」= Claude Code の話をします。
コピーして貼る手間さえなくなると、何が起きるのか。 そこをお伝えします。
読んでいて分からないところがあったら、公式LINEでそのまま聞いてください。